2015年11月17日火曜日

BMI正常で腹部肥満の人は,BMIから過体重・肥満とされる人より全死亡リスクおよび心血管死リスクが高い

過体重・肥満の分類は一般にBMIに基づいて行われるが,ウエスト・ヒップ比(WHR)という腹部肥満の尺度もある。BMIは正常でも腹部肥満というケースがあり,そのような人の死亡リスクについてはよく分かっていない。米・Mayo ClinicのKarine R. Sahakyan氏らは,1988~94年の米国民保健栄養調査(NHANES Ⅲ)のデータを解析。BMI正常でWHRから腹部肥満とされる人は,BMIから過体重・肥満とされる人より全死亡リスクおよび心血管死リスクが高いとの結果をAnn Intern Med2015年11月10日オンライン版)に報告した。BMI正常+腹部肥満(第2群)の男性の全死亡リスクはBMI正常+腹部肥満なし(第1群)に比べて87%高く〔ハザード比(HR)1.87,95%CI 1.53~2.29〕,BMI分類で過体重+腹部肥満なし(第3群),BMI分類で肥満+腹部肥満なし(第5群)の2倍超であった(それぞれ同2.24,1.52~3.32,同2.42,1.30~4.53)。
 今回の結果は臨床的に重要な意味を持つ可能性がある。BMI正常で腹部肥満の人は各種予防プログラムの優先対象者ではないと考えられているからだ。BMIの有用性は疫学研究で実証されているが,臨床診療においてBMI単独で肥満を評価することには限界がある。BMI計算に用いる体重は,筋肉と脂肪の重量を区別していない」と指摘。「今回の結果は,BMI以外も検討すべきであるというエビデンスを提供するものだ」と述べている。
と、ありました。健康の指標として、BMIだけを見てはいけないということと、腹部肥満(ウエストの大きい人)は気をつけねければならない、ということですね。

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